悪用厳禁な心理学
どうも、こんにちは。いとらーです。
僕はせどりや情報発信やプログラミングで生計を立てているフリーランサーです。
よろしくお願いします。
これまで自分で物を作って販売する関係で購入心理などはよく勉強しています。
そこで単に心理学の話を聞いても眠くなるだけだと思うので現実生活に即してお話していこうと思います。
このような心理学を学ぶと販売率などが上がり有益なのですが、その反面悪用すれば詐欺などの犯罪行為にもつながりますから悪用厳禁です。どんなに素晴らしい武器でもそれを用いる人の人格が大事になります。正しい方向で用いることが肝要です。
またいつもすぐに販売員の言葉を聞いて物を買う人や高額なコンサルや教材を買ってしまうような人は今後の防衛のためにこのような心理学を学んでおいて損はないと思います。
これからこの心理のお話をしていくのですが、この話は影響力の武器という本から学びました。この記事はこの本を元に考察したものになります。
興味を持った方は本の方も読んでみてください。
ツイッターで盛んな詐欺コンサル批判
ツイッターでは日夜、「あのコンサルは詐欺だ」とか「あの教材は詐欺だ」とかいうツイートが流れています。
本当に詐欺で料金を詐取し逃亡するようなケースもあれば中身に見合ってない高額な料金を設定し詐取するケースもあります。
それらを周知し詐欺の被害に遭わないように情報を共有するのは非常に大事なことです。
これによってそのコンサルや教材の購入を思いとどまった人も多いと思います。
なのでこのような批判自体を僕は否定している訳でありません。これは前もって強く言っておきます。
しかし、このような詐欺コンサル批判というものが時として逆の作用を及ぼしてしまうこともあるのです。
つまり、詐欺コンサル批判の言明を見てしまったがために詐欺コンサルに料金を払ってしまうという一見支離滅裂な行動を取ることもあるのです。
今回はそのメカニズムを説明したいと思います。
そのためにまずは二つ原理を説明します。
一貫性の原理
まず初めにご紹介したいのが一貫性の原理です。
一貫性の原理というのは、人が行動する上で以前と同じように一貫性を保った行動を取りたいと思う心理的作用のことです。
うーん、なんだか小難しいですよね。
具体例を出すと、例えば、隣の見知らぬ人に「ちょっと席を離すからカバンを見ていてくれないか?」と言われて、「はい」と承諾すると意識がカバンの方に向きますよね。
逆に何も言われない場合は、意識はその他人のカバンの方には向きませんよね。誰かがそれを取ったとしても見向きもしないかも知れません。
実際にこういう事例ではほとんどの人は他人のカバンに関心を持たず誰かが取ったとしても引き止めようともしないようです。
この事例でのポイントは、カバンを見てくれないか?と頼まれたときに「はい」と承諾している点です。
自分が「はい」と承諾したものだから、それと一貫するように行動するのです。だから承諾した場合は、誰かがカバンを取ろうとするとそれは別の人のものですよなどと静止する行動を取る人の人数が増えるそうです。
これが一貫性の原理です。
それでは、なぜこのような一貫性の原理が働くのか?
人間は社会生活を営む上で前の言動と一致した行動を取った方が生活しやすいからです。
もしも、前に行った言動と一致しない行動を取るような人間ばかりだったら社会が成り立たなくなります。
また人は1日に何度も意思決定を行っていると言われていますが、一貫性の原理があることによって意思決定の数を減らすことができます。前と同じことをしてれば大丈夫ということで意思決定のストレスを緩和させることができます。
このような理由により人間の心理には一貫性を保とうとする原理が働いているんです。
コミットメント
もう一つ大事な概念をご紹介します。
それがコミットメントです。
コミットメントとは辞書的には委託や委任、公約や責任、言質といった複数の意味合いがありますが、ここでは公約が一番近い意味です。
ある物事に対して何かの決定をしたり、一定の立場を取ることを言います。
こう書くと難しく聞こえますが、例えば「僕は遊戯王よりもポケモンの方が好きだ」とか「僕は物販アフィリエイトよりもアドセンスアフィリエイトの方が好きだ」といった自分の立場を決めたり明らかにすることを言います。
このコミットメントというものは軽微なものから重要なものまで非常に多く行われています。
「きのこの山」と「たけのこの里」だったら「きのこの山」というような軽微なもの(重要なことである人もいるかも知れませんが)から「AさんではなくてBさんと結婚する」という重要なものまで沢山あります。
なのでこのコミットメントは人間の社会生活の中で普遍的なものです。
なので当たり前の話のようにも思われますよね。
しかし、このコミットメントと先の一貫性の原理が結びつくと非常に強い心理学の原理になります。
コミットメントと一貫性の原理の結びつきとビジネスへの応用
何か物事に対して自分の立場を決めるとそれに一貫性の原理が働きだします。
例えば、Bさんと結婚することを決めて結婚したら大抵の場合は一貫性の原理によってBさんとの婚姻を維持しようとするでしょう。
何かの離婚原因があれば別ですが、何もないのに結婚したらすぐに離婚するような心理になることは稀でしょう。
このように一貫性の原理が働いているからこそ婚姻関係やパートナーシップというものは継続していく訳です。
この一貫性を崩すには不倫などの不貞行為やDVなどの暴力行為など一貫性を保持しにくい新たな事象の出現が必要になります。
それまでは大体の場合一貫している訳です(この一貫性を崩すから離婚はしんどい訳です)。
コミットメントしたことが一貫することで社会が成り立ち人は生存している訳です。
なのでとても大事な原理な訳です。
「一度コミットしたことは継続する」
この心理をビジネスに生かすことももちろん可能ですし、最大限利用しようとする人もいます。
鍵はまず初めにコミットメントさせること。そのためにありとあらゆることをします。
例えば初めに商品説明会のようなものを無料で開催して会場に来てもらいます。
この段階ですでにお客さんはその商品や会社にコミットしています。そうすると参加していない=コミットしていない人よりも商品の販売が容易になります。
この「まず説明会に参加してもらう」というのが何よりも大事なのです。
他にも、初めは安価な商品を販売してコミットさせてそれから本命を販売するなどコミットメントがビジネスに使われる場面は多々あります(アップセルなどと呼ばれたりします)。
この辺りから何故せどりや物販の情報発信者が頻繁にオフ会を開いたり、無料で教材はリストなどを配るのか分かってくるんじゃないのかなと思います。とにかくコミットメントさせたいのです。
これに関しては、あくまで販売の手法としてやっている分には問題はないかと思うのですが、このコミットメントと一貫性の原理の心理学は時として悪い方に作用してしまうこともあるのです。今回の記事の主題を次の項でお話しましょう。
詐欺コンサル批判が詐欺コンサルに入るきっかけになってしまう原理
詐欺コンサルというものは非常に上手くできています。
「これは詐欺コンサルですよ」
などと言ってセールスする人はいません。
言葉遣いも丁寧で身なりもしっかりした人が相手に親身になって話を聞いたり話をしたりします。
「この講座を受講すればあなたは今の苦境から脱することができますよ。」
「今まで苦しかったでしょう。でも、今日あなたと会えたのは運命の導きかも知れません。このコンサルを受ければ人生が変わります」
このような甘い言葉で勧誘をします。
そして、実際に苦しい人の中にはこの言葉に救いを求める人もいるでしょう。
本当かな?って思い半信半疑ながらも救われたい一心で「受講してみようかな」などと検討するのです。
それでその詐欺師のメールやサイト、動画などを見ます。
もうこの段階でかなりコミットしてしまっています。
まさかこの人が裏切る訳ないと信じます。
このような心理状態のところで、
「あの人のコンサルは稼げない。詐欺だ。」
というツイートを見たとしましょう。
大体の正常な心理状態の人は、「えっ、危なかった」となって思いとどまります。
しかし、既に深くコミットメントしている人は、
「そんな訳がない。自分の信じたAさんが詐欺な訳がない。ほら、こんなに実績をあげているじゃないか」
「そうなのかも知れない。けど、自分は早く救われたいから受講する。決心が揺らぎそうだから今申し込まなければ。」
というような判断をする人もいるでしょう。
そんな馬鹿なと思われるかも知れませんが、深くコミットメントしてしまうと自分の意思決定を崩したくないものだから一貫性の原理が働いて、受講を決めてしまうのです。
そのような事例が「影響力の武器」の中でも登場します。
なので、このように強くコミットメントして一貫性の原理が強く働いている場合にはどれほど論理的で説得的な説明をしても通じないのです。頭ではうっすら分かっていても心が受け入れない訳です。
これは新興宗教にハマってしまって抜けられない人の心理でもあります。真面目な人がハマってしまう理由でもあります。真面目であるが故に初めにした自分の判断を覆せないのです。おかしいと思ったら人は変わっても良いのに。。
なので、このような詐欺コンサルツイートも詐欺コンサル講師の言葉が刺さってしまった人は逆効果になることもあるのです。
その批判がむしろコミットメントしてしまった人の一貫性を強固なものにしてしまい成約へと突き進んでしまう。結局はその詐欺コンサルにとっては成約が増えてありがたいとなってしまい詐欺コンサルを助長させてしまうのです。
真面目な人ほど一度自分の決めた決定事項を変えれなくて泥沼にハマっていくのです。自分の決心なんてすぐに変えても良いのに。
このコミットメントと一貫性は非常に厄介なのです。まぁそれだけ人間の生存にとって大事な心理なのでしょう。
それでもきちんと詐欺は詐欺と周知させる活動は大事です。大部分はそれで思いとどまるはずですから。
防衛策
このような詐欺コンサルに引っかかる人はなるべく減らすべきです。
ではどうすればいいか?
その鍵はコミットメントにあります。
深くコミットメントしてしまうと何を言っても通じなくなるので軽度の段階で説得を試みることです。
また、苦境になる場合はより甘言が刺さりやすいのでそういった心理状態にあることも説くべきでしょう。
「あなたは今苦しいからあの人の言葉が心に刺さっているだけ。とりあえず今決めなくてもいいからゆっくり考えてみたら」
こう言うことで冷静になれる人もいると思います。
もっとも相手も巧妙で3時間以内に申し込めば3割引などと言ってくる訳です。騙されないようにしてください。正しく販売する人は煽ったりしません。
また、これは発信者側の話ですが、正しいことを発信する者が詐欺コンサルよりも影響力を持つことも大事です。
いくら正しいことを言っても影響力のない人間の言葉は無力です。
なので、影響力を強め、早めの段階で正していくとが大事なのではないかなと考えます。
今回の心理学のお話はここまで。
それでは!
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