DaiGoのホームレス差別発言に見られる炎上商法の限界について

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DaiGo氏炎上の簡単な経緯

先日メンタリストDaiGo氏が「ホームレスや生活保護受給者は社会に不要であり自分の税金を使われたくない。むしろ猫を救って欲しい」と発言して炎上。

また、「犯罪者が社会の中にいるとみんなに害があるから殺すのと同じ。」という趣旨の発言もありこれが優生思想であるとして批判を浴びた。

この炎上に対して本人は最初は何を思うかは自由との趣旨で反論などを試み炎上に油を注いでいたがあまりの批判の多さ強さに一転自身の動画上で反省の弁を述べるに至った。

しかし、この反省も時折笑みを浮かべたり、「ホームレスや生活保護受給者も頑張って社会復帰したいと願う人もいるのだから、その人達に対して言い方がよくなかった」
という趣旨の発言を行なった。

しかし、これに対しても反省の色が見えないだとか炎上商法やっているだけという批判が相次ぎ炎上の鎮火には至らなかった。

また、生活困窮者支援団体が緊急声明を発表したりして事態は収拾がつかない状態に陥っていた。

ところが14日DaiGo氏は自身の動画で終始真剣に謝罪する動画を出した。笑みも消え何度も謝罪した。

この態度の変化はどこにあったのか?

すると、DaiGo氏のスポンサーを務めていた「飲むシリカ」がホームレス支援も行なっているので氏のスポンサーを辞退すると発表。
これがDaiGo氏が態度を180度変化させた原因ではないかと考えれる。

ここまでがざっとこれまでの経緯の概観であるが、少し思うところがあるので書いてみる。

炎上商法の限界

これまでホームレスや生活保護受給者の社会福祉というのは近代市民社会が到来して以降資本主義の浸透とリンクする形で社会的弱者が必死に築き上げてきたものであるという理解が必要だ。

また歴史を紐解いてみても優生思想が罪のない人の命を無碍に奪ってきたことがあるのは事実でそうしたことが起きないよう近代になってから市民は人権を確立してきた。人権とは人が生まれながらにして当然に持つ権利であって、そこには人の優劣など存在しないのである。このような考え方は最初から存在したものではない。革命や戦争を経て多くの命の犠牲の上にようやく獲得されたものなのである。

こうした歴史的人権的な背景からDaiGo氏の発言は到底許されるものではない。
これは炎上と軽々に論ずることのできない事柄だと思う。
発言する内容によっては良いか悪いかの程度問題ではなく一切言うべきでない事象もある。これが炎上商法の限界点。これがまず一つ目の言いたいこと。

もう一つは、炎上商法の限界が明確に存在していることが露呈したことである。
結論から端的に言うと、スポンサーの活動に反することは言うな。これである。

氏は元々偏った思想の持ち主であることは前から言われていたようだが、恐らくビジネス的にも炎上商法の旨みを知り当該発言を行なったのもあろう。
しかし、これは誤りであった。
炎上商法はただ炎上させれば良いのではなくキチンとした限界があるということだ。
それが今回で言えばスポンサーの存在であった。
スポンサーがホームレス支援を行なっている会社であるということを認識できていればあのような発言は公に行ったりはしなかったはずだ。
多額の広告費を払ってくれるスポンサーの特徴など全て理解しておいて然るべきかと思うのだがそれに至らなかったのは氏の奢りであると言える。

しかし、人は驕り高ぶることもあるし、認知できる範囲にも限界がある。人間は誰しもが誤りを犯すという前提のもとそれをチェックする第三者機関が必要だったのではなかろうか。だからこの問題は単に奢りだけの問題ではなくコンプライアンス体制の未構築というビジネス的不作為が問題であったのだと思う。
かつて企業のコンプライアンスが問題になった時、それをチェックする機関や体制が構築された。これは問題行動というのは中々自分では改善されないので他者のチェックを入れる必要があるためだ。自分を過信せず第三者に監視してもらう。
今回DaiGo氏はこうした第三者の二重チェック体制を取り入れていなかったのだろう。もしも取り入れていれば動画の公開の適否について議論がなされたはずだ。
しかし、恐らく氏は独断で行なっていると思われ、抑制が効かず今回ここまでの事態にまで陥ってしまったのだと思われる。
氏のビジネスは他社の商品を宣伝する広告ビジネスな訳だから自分の価値観だけでなく多額の宣伝報酬を支払い商品を販売している関係者のことまでチェックする体制を構築すべきだったのだ。もしもこうしたチェック体制のある大きな事務所に入っていればこのような事態にはならなかっただろう。

DaiGo氏の動画のあの背景には沢山の本がズラリと並んでいるのが、あの中にコンプライアンス関係の本はなかったのだろうか。
コンプライアンスなど社会人になればすぐに教えられるようなものであるのに。

しかしここまで書いていて何だが今回の発言はコンプライアンス体制がなくても普通自分で直感的にダメだと気づくような類のものであった。
結局本人の資質が歪みすぎていたことが問題だったのかもしれない。ここからどう立ち上がるのだろうか。

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この記事を書いた人

京都大学、京都大学大学院と進学し塾の先生をやっていましたが資格試験に失敗。
30代過ぎて職歴が無く就職活動も失敗し、自営業でスタートすることを決意。せどりと倉庫の日雇いバイトと家庭教師から始めて今ではせどり、情報発信、プログラミングで年収1000万ほどになりました。

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